ベニヤ板を支持体とした油彩画を山ロが初めて制作するのは、1952年のことである。昭和初頭のパリ滞在以来抽象絵画を描いていた画家の転機は、ここから始まった。ベニヤという規格化された形状の支持体を用いることで、地は長方形或いはそれを2枚並べた正方形に限定される。その限られた形状の中で、様々な形態が却って自由に展開することになったのだ。闇のような黒地を背景に浮き上がった五つの赤いかたち。それらは生まれたばかりの子供の成長するエネルギーをはらむように、不定型ながらくっきりとした存在感を示している。後に手掛けることになる霧島焼を想起させる艶やかで堅牢な表面は、パレットナイフで塗り固めたものという。終戦の年まで住み、そして耕した朝鮮半島の土に由来する赤い色は、やがて画面全体を覆い尽くすまでに成長を遂げ、地を背景としたかたちは、逆転して地そのものとなる。第1回現代日本美術展優秀賞受賞作。(N.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 作品(かたち)
- 作者名
- 山口 長男
- 制作年
- 1954
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/合板
- 寸法
- 185×182cm
- 受入年度
- 1959
- 作品/資料番号
- 1975-00-0533-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/561/
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