
ベニヤ板を支持体とした油彩画を山ロが初めて制作するのは、1952年のことである。昭和初頭のパリ滞在以来抽象絵画を描いていた画家の転機は、ここから始まった。ベニヤという規格化された形状の支持体を用いることで、地は長方形或いはそれを2枚並べた正方形に限定される。その限られた形状の中で、様々な形態が却って自由に展開することになったのだ。闇のような黒地を背景に浮き上がった五つの赤いかたち。それらは生まれたばかりの子供の成長するエネルギーをはらむように、不定型ながらくっきりとした存在感を示している。後に手掛けることになる霧島焼を想起させる艶やかで堅牢な表面は、パレットナイフで塗り固めたものという。終戦の年まで住み、そして耕した朝鮮半島の土に由来する赤い色は、やがて画面全体を覆い尽くすまでに成長を遂げ、地を背景としたかたちは、逆転して地そのものとなる。第1回現代日本美術展優秀賞受賞作。(N.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 作品(かたち)
- 作者名
- 山口 長男
- 制作年
- 1954
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/合板
- 寸法
- 185×182cm
- 受入年度
- 1959
- 作品/資料番号
- 1975-00-0533-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/561/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8082)
![作品画像:背中[『小さな版画集』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/17687.jpg)
背中[『小さな版画集』より]
浜田 知明
東京都現代美術館

地蔵建立 ラサ(祭り)、1993年8月12日
小沢 剛
東京都現代美術館

Celtic Sea, St. Agnes
杉本 博司
東京都現代美術館

東京頌
シャルル・デルポルト
東京都現代美術館

Aic
一原 有徳
東京都現代美術館

水槽(小魚とひとで)
木和村 創爾郎
東京都現代美術館

ニコライ堂 B
松本 竣介
東京都現代美術館

無題
井田 照一
東京都現代美術館
![作品画像:静かな浴場[裏:浴場・立女]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/06/17981.jpg)
静かな浴場[裏:浴場・立女]
池部 鈞
東京都現代美術館

Akron Civic, Ohio
杉本 博司
東京都現代美術館

作品(穴)
嶋本 昭三
東京都現代美術館
![作品画像:愛の家[『林の目』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/06/18441-1024x997.jpg)
愛の家[『林の目』より]
瑛九
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 3] 35/53](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11742.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 3] 35/53
斎藤 義重
東京都現代美術館

Surface is the Between - Between Vertical and Horizon - “Descended Black – Gravity” - Original Poster
井田 照一
東京都現代美術館

集団蜘蛛「九州ルネッサンス」への抗議ハプニング
平田 実
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 9] 45/45](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/12009.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 9] 45/45
斎藤 義重
東京都現代美術館