村井正誠にとって、昭和25年は戦前の創設以来関わってきた自由美術家協会を一部のメンバーとの対立から脱退し、山口薫、矢橋六郎ら8人の若手作家と〈モダンアート協会〉を結成した記念すべき年であった。同年に制作され、翌年開かれた協会の第1回展に出品されたこの作品は、「私は嘗て黄色い太陽という題の作品をつくった事がある。矢張り太陽の色は黄色で白色よりも更に燃え熾っている色の表現である」と村井正誠自身が回想しているように、新団体の結成によって新しい抽象画の道を切り開こうとする作家の決意が鮮やかな黄色に込められた力作である。黄色以外にも黒、白といった強い色彩を用い、形の定まらない幾何学的な色面に人体をかたどった太い線を重ねることで、力強さに満ちた平面的な画面を作り出している。作者の意志が強烈に伝わってくるかのようなこの大胆な抽象画は、戦前のモンドリアン風の理知的な作風とは対照的であり、村井の抽象におけるひとつの転機を示す作品といえるだろう。(K.H.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 黄色い太陽
- 作者名
- 村井 正誠
- 制作年
- 1951
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/カンヴァス
- 寸法
- 161.5×130.5cm
- 受入年度
- 1975
- 作品/資料番号
- 1975-00-0509-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
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