
村井正誠にとって、昭和25年は戦前の創設以来関わってきた自由美術家協会を一部のメンバーとの対立から脱退し、山口薫、矢橋六郎ら8人の若手作家と〈モダンアート協会〉を結成した記念すべき年であった。同年に制作され、翌年開かれた協会の第1回展に出品されたこの作品は、「私は嘗て黄色い太陽という題の作品をつくった事がある。矢張り太陽の色は黄色で白色よりも更に燃え熾っている色の表現である」と村井正誠自身が回想しているように、新団体の結成によって新しい抽象画の道を切り開こうとする作家の決意が鮮やかな黄色に込められた力作である。黄色以外にも黒、白といった強い色彩を用い、形の定まらない幾何学的な色面に人体をかたどった太い線を重ねることで、力強さに満ちた平面的な画面を作り出している。作者の意志が強烈に伝わってくるかのようなこの大胆な抽象画は、戦前のモンドリアン風の理知的な作風とは対照的であり、村井の抽象におけるひとつの転機を示す作品といえるだろう。(K.H.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 黄色い太陽
- 作者名
- 村井 正誠
- 制作年
- 1951
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/カンヴァス
- 寸法
- 161.5×130.5cm
- 受入年度
- 1975
- 作品/資料番号
- 1975-00-0509-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/533/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8080)
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 5] 23/56](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11818.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 5] 23/56
斎藤 義重
東京都現代美術館
![作品画像:[耳エスキース 1]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/20079.jpg)
[耳エスキース 1]
三木 富雄
東京都現代美術館

Seed Project ナツツバキ・Stewartia pseudocamellia Maxim. 2014年12月3日 東京都江東区木場公園
太田 三郎
東京都現代美術館

餌食む猫
朝倉 文夫
東京都現代美術館

少年1
ホンマ タカシ
東京都現代美術館

ジーコ&ゼファ
大岩 オスカール
東京都現代美術館

「APN」(『アサヒグラフ』1953年10月7日号)のための構成
山口 勝弘/大辻 清司
東京都現代美術館

獅子
ウジェーヌ・ドラクロワ
東京都現代美術館
![作品画像:[1960s-70s 日本の前衛美術家の記録] 集団蜘蛛](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/7287.jpg)
[1960s-70s 日本の前衛美術家の記録] 集団蜘蛛
平田 実
東京都現代美術館

Surface is the Between - Between Vertical and Horizon - “The Sea – for Ascending Horizon”
井田 照一
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「柏原えつとむ 1973年2月1日 モンロー 上野」
安齊 重男
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 5] 37/56](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11832.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 5] 37/56
斎藤 義重
東京都現代美術館
![作品画像:稲妻捕り(1)[『稲妻捕り』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/01/18692.jpg)
稲妻捕り(1)[『稲妻捕り』より]
加納 光於
東京都現代美術館

境内
オノサト トシノブ
東京都現代美術館

作品 A-8
建畠 覚造
東京都現代美術館

アンソニー・カロ《ミッドナイト・ギャップ》1976-78
安齊 重男
東京都現代美術館