
画面上を無数の斜線や渦巻状の線が走り、ところどころで交叉して三角形の色面を形作る。カンヴァスに黒々と刻み込まれたようなこれらの線は、地塗りの下に見える木炭の下書きの線からもわかるように、画家があらかじめ意図したものではなく、筆を走らせる段階で無意識のうちに形成されたものである。このことは、自身の抽象画を「オートマチックな操作」によるものだと語った難波田の言葉に明らかであり、彼の心の内部に潜む抑圧された意識がこの抽象的な線の動きに託されているのであろう。しかし、そのオートマチックな線が交叉して出来る三角形に彩色を施す作業は、明らかに意識的に行われたものである。彩色によって形態が強調されることにより構図の安定が図られ、無意識の中から生まれた線が客観化される。その意味で、本作品は難波田が後に展開する、形態の現れを排除した抽象表現主義的な作風を予見しているといえる。(K.H.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 展開
- 作者名
- 難波田 龍起
- 制作年
- 1957
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/カンヴァス
- 寸法
- 97×130cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1979
- 作品/資料番号
- 1975-00-0363-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/387/
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