
「人真似をしない」を信条にしていた個性派揃いの〈具体美術協会〉の中でも、次々と意表をつく作品を発表した田中敦子の存在は、異彩を放っていた。1955年には、20個の電動ベルを一列に配線した《ベル》により、聴覚のみならず時間性までも取り込んだ新機軸を披露し、翌年には無数の電球がきらびやかに明滅する《電飾服》で、パフォーマンスまたはキネティック・アートの先駆けとも言える表現領域にまで踏み込んだ。1957年頃より興味の対象は絵画へと移行したが、それはミシェル・タピエの来日により具体がタブロー絵画へと収斂していったのと同時期である。本作品は、《電飾服》の設計図ともいえる絵画であり、鮮やかな大小の円と複雑に組み合わされた曲線は、電球とそれを結ぶコードのように見える。平面的で均質化されたマティエールと鋭敏な色彩感覚は、激しい身振りや物質感を押し出す具体の作家の中にあって田中敦子の特殊性を際立たせている。(C.M.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 作品(たが)
- 作者名
- 田中 敦子
- 制作年
- 1963
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 合成樹脂エナメル塗料/カンヴァス
- 寸法
- 194×131.5cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1981
- 作品/資料番号
- 1975-00-0301-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/316/
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