
清水晃の作品は、驚きと意外性に満ちている。彼の手にかかると、冷たいものが熱くなり、退屈なものが愉快なものになる。見慣れたものが、一瞬のうちに未知の存在に変身する。ユーモラスでどこか危険な、その鮮やかな手口に我々は日常生活からの解放感を味わう。《色盲検査表 No.6》では、科学的で冷やかな医学検査の道具が、魅惑的な女性をちりばめたホットな絵に変わる。さらに、この時期に作者が制作していた実物そっくりの郵便ポストの彫刻では、黙って手紙を飲み込むだけのポストが、作者に背負われて移動し、愛犬のように散歩の相手をつとめる。数字の6が浮き出る「色盲検査表」には、女性の姿だけでなく、絵葉書のような異国の街並も見ることができる。それは、まるで遠眼鏡で覗く映画のシーンのようだ。現実的で厳しい数字の世界、あるいは楽しい快楽と空想の世界。実は、この絵は、そのどちらが目に入るかを検査しているようだ。清水は1963年、このユニークな「色盲検査表」の《No.4》と《No.9》により第7回シェル美術賞一等賞を受賞している。(Y.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 色盲検査表 No.6
- 作者名
- 清水 晃
- 制作年
- 1963
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩、コラージュ/カンヴァス
- 寸法
- 162.5×132cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1985
- 作品/資料番号
- 1975-00-0241-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/253/
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