鴫が制作活動を開始した1970年代前半は、リチャード・エステス等の写真を利用したスーパー・リアリズムの絵画が日本でも第11回日本国際美術展などで盛んに紹介された。同展で写真とアクリル画を併置する作品を発表した画家は、1976年から翌年にかけドイツ、ヴォルフスブルクに滞在、近郊ハノーヴァーの街角を扱ったこの連作で、第12回日本国際美術展の東京都美術館賞を受賞する(受賞対象はM2、M6)。
街並みを写したオリジナル写真(M1)はここでは存在しない。作品は、写真からおこしたアクリル画(M2)から始まり、それを写真に撮り(M3)、再び描きおこす(M4)作業を5回繰り返したもの。オリジナルを眼にすることなく、コピーのみが果てしなく繰り返される現代社会を、総延長10メートルに及ぶ大画面で訴えかけるのだ。やがて写真を伴うことなく単独で用いられることになるアクリル素材は、ここでは無機的な冷たい感触を放ち、写真と拮抗している。(N.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 絵画 M2~M6
- 作者名
- 鴫 剛
- 制作年
- 1978
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- アクリル/カンヴァス(M2、M4、M6)写真パネル(M3、M5)
- 寸法
- 5点組:各181×227cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1978
- 作品/資料番号
- 1975-00-0232-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/239/
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