
北代省三は、グループ「実験工房」が1951年に結成された当時からのメンバーだった。詩人であり評論家でもある瀧口修造を中心に、それぞれのメンバーが作曲や舞台装置などの各分野を担当してバレエやコンサートの上演を行ったり、実験映画の制作やオートスライドの映像と音楽を組み合わせた作品の発表などが行われた。こうした試みが目指したものは、ジャンルやメディアを超えた総合芸術の実現であった。北代も舞台美術やデザイン、映像と多岐に渡って参画した。rn北代は、この実験工房に加わる前の1948年から絵画制作を始めていた。1951年にタケミヤ画廊で開いた個展を見た岡本太郎は「我が国の抽象絵画の殆ど全部が人情的に、味、趣味性を土台にしているのに対して、彼の作品は近代的な抽象の科学性を押し出している。」と高く評価している。当初から彼の作品は、徹底して情緒的な要素を排した幾何学的抽象であった。1950年代初めにこれほど純粋に絵画の抽象性を追究した画家は少ない。それは、自然科学や工学の知識に裏打ちされたものだけに厳密で理知的だった。この作品も同じく幾何学的な構成ではあるが、より洗練された近代的感覚と三次元空間への指向が読み取れる。彼は、絵画の制作に次いでモビールの制作に打ち込む。これはそうした展開につながる作品である。(H.K.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 回転する面による構成
- 作者名
- 北代 省三
- 制作年
- c.1952
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/厚紙
- 寸法
- 72.3×60.6cm
- 受入区分
- 寄贈
- 受入年度
- 1981
- 作品/資料番号
- 1975-00-0170-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/172/
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