
暗雲が立ち込め炎が燻るなか、瓦礫を踏みしめ家財道具を携えて黙々と歩を進める人たち。大正12年9月1日に起こった関東大震災の情景を、洋画家鹿子木孟郎が大画面に描写したのが本作品である。当時京都在住であった鹿子木は震災の報を受け、近所に住む日本画家池田遥邨と連れ立って上京し、悲惨な震災の光景をコンテやカメラ等で速写した。当館には、そうしたスケッチが50点収蔵されている。鹿子木はスケッチや写真で捉えたモチーフを再構成し、この大画面にまとめあげた。1900年以降3度にわたるフランス留学を果たした鹿子木は、歴史画家ジャン=ポール・ローランスに師事することで、アカデミックな素養を十分に培ってきた。その鹿子木にあって、日本でいかに油彩による歴史画を構想するかという課題に対し、突如遭遇したこの大事件は、これまでに蓄えた技量を基に、絵画の在り方を問う機会でもあったといえよう。未曾有の悲劇に直面した画家は、冷静な眼差しで描写した素材を基に、確かな記録を後世に伝達するという機能を備えた絵画を創り上げたのである。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 大正12年9月1日
- 作者名
- 鹿子木 孟郎
- 制作年
- n.d.
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/カンヴァス
- 寸法
- 156×204cm
- 受入区分
- 寄贈
- 受入年度
- 1967
- 作品/資料番号
- 1975-00-0151-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/153/
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