
靉嘔は、昭和30年に池田満寿夫を初めとする若手作家とともに〈グループ実在者〉を結成した。本作品は昭和31年にフォルム画廊で行われた同グループの連鎖展で発表されたものであり、同年の第8回読売アンデパンダン展にも出品されている。作品タイトルの≪田園≫は、連鎖展の課題テーマであった「田園」に由来するが、画面下には「食う為に生きる為に耕す父母兄弟姉妹におくる」というメッセージが記されており、タイトルとともに戦後の復興に向けて立ち上がろうとする作家の願いが込められている。ベニヤ板4枚から成る大画面に、半ば球状に単純化された男女のフォルムが隊列を成して前面に行進してくる様子が大胆な遠近法によって描かれ、敗戦後に希望を抱き始めた当時の世相を見事に表している。靉嘔は、この作品を発表してから2年後にニューヨークに渡り、虹色のシリーズへと展開していった。 (K.H.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 田園
- 作者名
- 靉嘔
- 制作年
- 1956
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/合板
- 寸法
- 183×370cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1984
- 作品/資料番号
- 1975-00-0001-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1/
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