
ヂョン・ヨンドゥ(1969-)は、主に写真やヴィデオを媒体に、様々な場所で出会う人々とのコミュニケーションから作品を制作しています。記憶や夢、あるいは果たせない願望といった、目に見えない大切なものに着目し、それらを視覚化していきます。虚構と現実が入り混じるその独特の世界は、新たなリアリティを生みだし、ごく普通の人々のささやかな日常や、人生の一場面に光を当てます。
《古典と新作》は、東京都現代美術館周辺の清澄白河に暮らす人々との様々な交流から生まれた作品です。3面の大型スクリーンに映し出される映像は、一つにつながり、あるいは交錯しながら、かわるがわる表われ、ハーモニーを奏でていきます。映像作品に触発され、この地域の失われた風景をたどるドローイングも制作されました。
作品は、老人の語る戦時下での子ども時代の思い出と、現代を生きる子どもたちの生き生きとした姿、そして、全てをつなぐ語り部の役割を果たす「落語」を中心に、周辺地域の風景を織り交ぜて、筋書きのない物語を繰り広げます。そこに見えてくるのは、いつの時代にも共通する世代間のギャップや親子の絆、子供らしい眼差しとともに、戦時下の恐怖に怯えた子供たちと豊かで平和な現在の子供たちの対比であり、平和が瞬時に脅かされる危うさを孕んでいることを思い起こさせます。
本作品は、清澄白河というまちの物語であると同時に、何世代にもわたって受け継がれてきた、普遍的な、命をつなぐ物語となりました。子どもたちが奏でる和太鼓の音は、生命の鼓動のように響きわたり、留まることのない河の流れは、何代にも渡って受け継がれていく命の循環のようでもあります。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 古典と新作
- 作者名
- ヂョン・ヨンドゥ
- 制作年
- 2018
- 分類
- 写真・映像
- 材質・技法
- ビデオインスタレーション:3チャンネル・HDビデオ・プロジェクション
- エディション等
- Ed.3+AP.1
- 時間
- 43分42秒
- 受入年度
- 2018
- 作品/資料番号
- 2018-00-0028-000
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