
現在、東京や大阪などの大都市では、複数のターミナル駅から郊外へ向けて、私鉄の路線網が整備されている。これらの多くは、明治末期から昭和初期にかけて整備された。本資料は、関東大震災後の東京近郊の人口増加を受けて整備された近郊電車の一つ、小田原急行鉄道(現・小田急電鉄)の開業を知らせるポスターである。
その内容を見ていくと、標高1251メートルの大山(神奈川県)が、3776メートルの富士山に迫る勢いで表現され、手前に2両編成の電車が配置されている。奥には北海道をはじめ、樺太、台湾、上海、釜山までもが描かれている。
路線図は、右下方から左上方に向けて赤い線で示され、沿線には、桜の名所や古戦場、遊園地、温泉などが描かれている。「第二期工事線」として点線で示された江ノ島線の沿線には、当時、人々の憧れであった田園都市の風景が描かれている。
鉄道の敷設と同時に沿線に住宅地を造成し、遊園地や劇場を建設して通勤客や利用客を獲得しようとする手法は、明治末期に阪急グループ創始者の小林一三が始めた。各地の鉄道会社もこれに習い、乗客の獲得に努めた。本資料に描かれている沿線の施設からは、鉄道会社のこうした戦略がうかがえる。
作家の吉田初三郎(1884~1955)は、国内各地の鉄道路線や観光地を描き、極端に遠近をデフォルメした鳥瞰図(ちょうかんず)で絶大な人気を集めた。
- 所蔵館
- 江戸東京博物館
- 資料名
- 小田原急行電車開通記念
- 資料番号
- 95202641
- 大分類
- 印刷物
- 小分類
- 刷物
- 種別
- ポスター
- 作者(文書は差出人)
- 吉田初三郎/画
- 発行所(文書は宛先)
- 小田原急行電車株式会社/発行
- 年代
- 昭和初期 昭和2年 1927 20世紀
- 員数
- 1枚
- 法量
- 63.8cm x 93.6cm
- 江戸博デジタルアーカイブズ
- https://www.edohakuarchives.jp/detail-10946.html
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