名所江戸百景 両ごく回向院元柳橋 One Hundred Famous Views of Edo: Eko-in Temple in Ryogoku and Motoyanagibashi Bridge
歌川広重(初代)/画 UTAGAWA Hiroshige
「火事と喧嘩は江戸の華」と言われるほど、江戸時代には火災が多発した。中でも多くの犠牲者を出す未曾有の大惨事となったのが1657年の明暦の大火で、その死者を弔うために幕府が建てた寺院が両国の回向院である。
回向院では、全国の寺院の本尊などを江戸で公開する「出開帳」が頻繁に行われ、大勢の人が集まるようになった。やがて周辺は大いににぎわう江戸の盛り場となった。回向院では、相撲の興行も天明年間(1781~1789)ごろから盛んに行われるようになり、1833年(天保4年)からは年2回の定場所となった。
広重はこの浮世絵で、回向院と相撲を象徴する櫓と太鼓を描いている。当時の櫓はクギや針金を一切使わず、ヒノキの丸太とワラで編んだ太い縄のみを用いて組み上げられた。
見世物小屋などは明治になってから次々と取り払われ、江戸の盛り場の風景は失われていった。1909年(明治42年)には回向院の隣に旧両国国技館が建てられ、相撲のない時には博覧会などの催しが開かれ、旧両国国技館は多目的な祝祭空間として近代の盛り場へと変ぼうを遂げていった。
- 所蔵館
- 江戸東京博物館
- 資料名
- 名所江戸百景 両ごく回向院元柳橋
- 資料番号
- 83200005
- 小分類
- 版画
- 種別
- 錦絵
- 作者(文書は差出人)
- 歌川広重(初代)/画
- 発行所(文書は宛先)
- 魚屋栄吉/版
- 年代
- 江戸末期 安政4年5月 1857 19世紀
- 員数
- 1枚
- 法量
- 36cm x 24.5cm
- 備考
- 83200001~832000120名所江戸百景 全揃
- 江戸博デジタルアーカイブズ
- https://www.edohakuarchives.jp/detail-1674.html
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