
オッペンハイムの1960年代末から70年代初頭にかけての仕事は、野外での大規模なプロジェクトであるランドアートと多くは自らの身体を介在させたボディーアートにおおまかに二分される。前者の典型と言える《管理された播種/無効にされた収穫》は、特定の地形(小麦畑から貯蔵・加工場であるサイロへ至る道路の形状)を繰り返しかたどって種をまき、その生育を待って今度は畑そのものの取消しを示すかのように大きな×印を描いて収穫するというもの。美術館の空間に収容しきれないスケールそのものが制度への対抗の姿勢を表すが、同時に穀物を食品として加工するということが顔料を絵画上のイリュージョンとして洗練することになぞらえられ、それを取り消す=否定するという手のこんだ皮肉も見え隠れする。一方の《泥土の上の腕立て伏せ》は、ニューヨーク近代美術館での「情報」展の場で行われた、行為とサウンドとスライドによる提示。かつて自ら腕立て伏せをした場所に、その行為の記録がスライドで投影され、同じ場で再びオッペンハイムが雪の中、腕立て伏せをする。両作品ともに、宿命的に保存不可能な「作品」であるため、断絶しているはずの時間と空間が記録として一平面上に提示され、そのことがさらに概念的なレベルの読み込みをつけ加えている。(K.O.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 泥土の上での腕立てふせ
- 作者名
- デニス・オッペンハイム
- 制作年
- 1970
- 分類
- 写真
- 材質・技法
- 写真、コラージュ/パネル
- 寸法
- 130×457cm
- 形状
- 10枚パネル
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1996
- 作品/資料番号
- 1996-00-0003-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4293/
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