
アンドレは1950年代末から、素材を均一な形態のユニットに還元し規則的に構成する作品を展開してきた。その形態は、ブランクーシの影響をとどめた初期の木材を垂直方向に構成したものから、徐々に水平方向の広がりに転じ、煉瓦を平らに積み敷いたものや本作に代表されるような金属板のユニットを並べたものへと至る。彫刻から具象的な題材や主題を排するだけではなく、即座に目を引くスケール感や構成の妙、素材のもつ質感のドラマ、加工の技巧等を極力排し、ぎりぎりまでその物質性に焦点を絞った還元的な表現には、かつてスタジオを共有していたフランク・ステラの方法論との連関も指摘されるが、一方で生活の為に貨物列車の制動手として職を得た一時期を通じて、まさに連なるユニットである列車や規則的に配される枕木やレール、そして鉄の固まりや石炭の山といった素材のリアリティを目の当たりにした体験もまた強烈な影響を与えたものとして伝えられる。作品の素材や形態を限界まで切り詰めた時に、相対的に生じてくる「場」との緊張関係は、観る者が文字通り作品に踏み込むことでさらに有機的なものとなる。一見素っ気ない無機質な外観を意図的に採用することでアンドレは、ミニマル(最小限)な働きかけが無限の関わりの可能性を開くことを期待しているのである。(K.O.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- トウェンティ・セカンド・スティール・カーディナル
- 作者名
- カール・アンドレ
- 制作年
- 1974
- 分類
- 彫刻
- 材質・技法
- 鋼
- 寸法
- 0.5×550×100cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1990
- 作品/資料番号
- 1990-00-0011-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3831/
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