 
        ヴィアラは1966年以来、そら豆のようなかたちをーつの型として用いた制作を続けている。様々な素材の上に、同じ大きさ、同じリズムで型を並べていく方法である。このかたちは、彼の生まれ育った南仏地方で壁の塗装に使われるスポンジから想を得たものであるという。ヴィアラは60年代末から70年代初頭にかけて、絵画の捉え直しを試みた世代に属する。中でも、カンヴァスなどの「支持体(シュポール)」と、描かれた「表面(シュルファス)」との関係から絵画の本質を解き明かそうとした〈シュポール/シュルファス〉の運動に果たした役割は大きい。この作品でも軍隊用のテントをそのまま用いて、枠をもたない画布=支持体に直接働きかけている。色は布に浸透してほとんど一体となり、表も裏もなく、支持体と表面が限りなく同一である絵画が示されている。一方で、地と混じり合い微妙な変奏が加えられた明るい色や、素材の独特な質感、地の縫い目がリズムに添える強度、労働としての制作を想起させる型の反復……これらの要素が、ともすれば理論にのみ支えられがちな絵画の探究に、南仏の夏の植物のような逞しい野生と、爽やかなよろこびの感覚を吹きこんでいる。手仕事の豊かさと分析的な理知とが幸福に結びついた、ヴィアラの代表作である。(Y.C.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 無題
- 作者名
- クロード・ヴィアラ
- 制作年
- 1979
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- アクリル/軍隊用テントのカンヴァス
- 寸法
- 265×460cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1997
- 作品/資料番号
- 1997-00-0020-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4512/
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