脱力しきった虚ろな姿で被告席に座る男たち。日本を狂気の戦争へと導いた戦時中の指導者たちを描いた井上のこの作品は、当時の記録映像を元に描かれ、東京裁判開廷中の1948年に開催された第2回美術団体連合展に出品された。絞首刑7名を含む戦犯への判決はその年の11月に下されている。
井上は戦前から静物画、風景画においてセザンヌの理念を受けた純粋絵画の追求を行う一方で、南太平洋の日本兵を題材にした《死の漂流》(1943)など、反戦を暗示する作品を発表している。時代の裏側に潜む人間の心の歪みや暗部へ向けられる画家のまなざしは後年、一連の政治風刺画において、奔放な線描による独特な軽みを帯びた醜悪かつユーモラスな人物表現へと深化してゆくが、終戦直後に描かれたこの作品では、その沈鬱な色彩、描かれた人物たちの無表情が、敗戦と戦犯の断罪という厳然たる時代の現実を物語っている。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 東京裁判
- 作者名
- 井上 長三郎
- 制作年
- 1948
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/カンヴァス
- 寸法
- 129×159cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 2015
- 作品/資料番号
- 2015-00-0092-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4389/
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