
1970年代に彫刻の在り方を彫刻制作を以て問う仕事をしてきた戸谷成雄は1984年から「森」を主題とする作品を制作している。戸谷にとって「森」は彼が求めていた彫刻構造そのものであった。即ち、塊でありながら視線を通す集合体的構造をもち、輪郭(表面)が合間で周囲の空間と内部は互いに行き交う交流に満ちているのだ。この作品も≪森シリーズ≫の1点で、空間との境界を複雑なものにする表面を覆う荒々しいチェーンソーの削り跡、34本の木柱からなる集合的な構造は「森」との近似性を感じさせる。象を連想させる姿は制作過程で自然に出現してきたものだという。しかし、「窯」「象」「森」は作者の中で結びついている。連なる登り窯の丸みが象の背の丸みに、さらにそれが森の輪郭の丸みに重ねられている。「森」は戸谷の彫刻の在り方を代弁し、「象」は像になる以前のかたち、立ち会われつつある未分化な部分をもった象(かたち)である。そして「窯」は森を焼き尽くすものとして死を含意している。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 森の象の窯の死
- 作者名
- 戸谷 成雄
- 制作年
- 1989
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- アクリル、灰、木
- 寸法
- 230×560×62cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1989
- 作品/資料番号
- 1989-00-0055-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3680/
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