
人間の「耳」が、人の背丈ほどもある大きなオブジェに変身し、鈍く不気味に輝いている。「耳」を彫刻にするという奇抜な発想に我々は衝撃を受け、その突然の出現に驚かされる。そして、なぜ「耳」なのかという思いにとりつかれる。だが、こちらの驚きや疑問をこの「耳」は、冷たく無視する。「これは耳である」というあまりの単純明快さゆえに、それがどういう意味を持つのかは作者にさえ説明がつかない。「友人の家で突然何メートルにも耳を拡大させるという、ふってわいたような思いにとりつかれた時、そのあまりにも『ばかばかしい』想像に興奮してしまった」という作者は、20歳代の半ばから「耳」をモティーフとした作品をつくり始め、決して長くはないその一生を「耳」の制作に捧げた。あるいは「耳が私を選んだ」という三木の言葉に従えば、作家は「耳」に魅入られ、その呪縛から逃れることができないままに、「耳」の制作に生命を燃やし尽くした。アルミ合金製のこの「耳」は、身体の一部というよりも、人の心の謎そのものであるようだ。(Y.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- EAR
- 作者名
- 三木 富雄
- 制作年
- 1965
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- アルミ合金
- 寸法
- H.170cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1979
- 作品/資料番号
- 1975-00-4150-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1396/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8084)

『博物譜』(15/28)
恩地 孝四郎
東京都現代美術館

早春の静物
清宮 質文
東京都現代美術館

心の噴火口
中原 實
東京都現代美術館

物語の朝と夜
駒井 哲郎
東京都現代美術館

『博物譜』(11/28)
恩地 孝四郎
東京都現代美術館

蝶々夫人の家
木和村 創爾郎
東京都現代美術館

山の人(山の男)
辻 晋堂
東京都現代美術館

Frozen
小瀬村 真美
東京都現代美術館
![作品画像:[吉田克朗関係資料一括]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/24709.jpg)
[吉田克朗関係資料一括]
吉田 克朗
東京都現代美術館
![作品画像:Aノ楽園[6]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/15588.jpg)
Aノ楽園[6]
荒木 経惟
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 6] 38/41](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11889.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 6] 38/41
斎藤 義重
東京都現代美術館

雪の伊吹山
橋口 五葉
東京都現代美術館

男座像
松本 竣介
東京都現代美術館
![作品画像:[デッサン 6]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/20167-794x1024.jpg)
[デッサン 6]
保田 春彦
東京都現代美術館

「APN」(『アサヒグラフ』1953年12月16日号)のための構成
山口 勝弘/大辻 清司
東京都現代美術館

紙 No.79-105
丁 昌燮
東京都現代美術館